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作品トリビア

題名の読み方

「パンツ一丁男」は正しくは「パンツいっちょう男」だが、バランスと歯切れの良さから本作品では敢えて「パンツいっちょ男」と読む。

 

邦題決定の経緯

当初、日本では「スパイシーマックプロジェクト」の題名で配給先を探していたが、なかなか配給会社が見つからず、スパイシーマックが日本映画界で最も尊敬する”お笑い映画界伝説の巨匠”に相談したところ「史上最高のパンツ一丁男はどうだ?」と提案してくれたため、即座に題名が変更となり配給会社もすぐに見つかった。

 

スパイシーマックカレー

低予算のため撮影中の食事は全てカレーライス(具はチキンのみ)であり、主にジャックワイズマンJr.が徹夜で調理した。このカレーが連日出されるにもかかわらず、スパイシーマック秘伝の隠し味(そばつゆ、コーヒー粉、ハラペーニョ、常識では考えられないほどの大量のニンニクetc.)が大好評で、アメリカ人俳優たちは食べれば食べるほど病み付きになり、「また今日もカレーなのか!」と文句を言う人は誰もいなかった。またカレーが辛すぎた時でさえ「スパイシーマックのスパイシーの意味がやっと分かったよ」と俳優たちは感心していた。

 

スタントマンがいない

予算が無いため池に落ちたり、ボクサーに殴られるスタント役などはおらず、スパイシーマックがカメラの録画ボタンを押してから自らが演じた。またパイを顔面に食らったり、ゆでパスタをかけられる役もスパイシーマックが演じており、この時はジャックワイズマンJr.がカメラの後ろで笑いを必死にこらえながら撮影した。しかしそのことに激怒したスパイシーマックは顔面にパイと小麦粉をつけたまま「ふざけるな!まじめに撮影しろ!」と、ジャックワイズマンJr.に無理難題を突きつけた。

 

ダンシングガス

ダンシングガスのアイデアはスパイシーマックが近所の道路に捨ててあったガスボンベを拾ってきて思いつき、美術担当の松崎悠希が特殊デザインし、それを元にスパイシーマックがペイントして作成した。

水泳オリンピック選抜

スイマー役には本物のオリンピック選抜の水泳選手がネットで応募してきたため、スパイシーマックが「ぜひ海パンひとつでオーディションに来てください」とメールしたが、当日オーディション会場には現れなかった。

 

ライフジャケットの由来

スイマー役のイーサン・マクダウェルは当初、何度呼んでも企画に乗り気でなくオーディションにも来なかった。しかし写真を見て彼のインパクトのある眉毛に惚れ込んだスパイシーマックとジャックワイズマンJr.がしつこくアプローチしたところ、最終オーディション終了5分前に嫌々来場した。当然、その完璧な演技と唯一無二のアホなキャラから一発合格となったが、撮影前にスイマー役のコスチュームがビキニタイプの海パンひとつに水中眼鏡のみという設定だったため、スイマー役のイーサンが「ロサンゼルスの街中をパンツ一枚でウロウロしたくない」と言い出し、スパイシーマックも「確かにそれは一理ある」と納得し、急遽その辺の店で6ドルで購入したライフジャケットをつけることになった。スパイシーマックは「キャラクターはスイマーだが泳げない設定にしよう」とライフジャケット装着の理由を強引に意味付けしている。対称的にボクサー役のクリストファー・コービンは「監督が言うならウエディングドレスも着る」と豪語していた。

 

役者が来ない

イタリアンマフィア役の俳優は大事な撮影を度々ドタキャンし、撮影側は大パニックに陥る。スパイシーマックはカット割りとショットリストを大幅に変更し、その場を凌ぐが、結局その俳優は予定されていた撮影日数7日間のうち3日間しか来ず、しかも「撮影中カメラで撮影されてる瞬間に寝る」など想像を絶するパフォーマンスを行った。そのためマックは別人に演技をさせてCGで首から上だけその俳優に付け替えようかとまで考えていた。彼がバケツで顔を隠すシーンがあるのはそのためである。それ以降マックは「役者さんにとって最も大切なことは?」と聞かれた際に、ルックスや演技力などではなく「撮影に来ること」と即答している。

 

役者がセリフを覚えない

マックの撮影では役者が現場に来ても安心はできなかった。セリフの暗記はおろか脚本を読んでない不届き者も多数いたからである。そこでマックは撮影するシーンをカットごとに役者にコマ切れで説明し、いかなる状況であっても撮影が成立するスタイルを確立させた。のちに『撮影に最も必要なものは?』との問いにマックは『役者は来さえすればいい!最も大切なのはビデオカメラのバッテリーだ!』とも答えている。

製作エピソード・事件

 

日本人製作者の出会い

スパイシーマックは長崎出身、ジャックワイズマンJr.は沖縄出身であり、ロサンゼルスの安アパートのルームメイトとして知り合った。ジャックワイズマンJr.はスパイシーマックから無理矢理、日本名からジャックワイズマンJr.に改名させられているが、本人は気に入っている。一方スパイシーマックは昔のルームメイトであったミュージシャンから無理矢理、日本名からスパイシーマックに改名させられており、今でもこのネーミングに恥ずかしさを感じている。

 

製作費用が尽きる

完成後にアメリカでプロモーション費用が尽き、金に困ったスパイシーマックは昔ロバート・ロドリゲスもやったと言われている新薬開発の人体実験バイトを自らも行い、9日間で1100ドル稼いだ。しかしその後、車が長期間レッカー移動され罰金として2600ドルを支払い、さらに困窮する。仕方が無いのでスパイシーマックは日本の医師の友人に「アメリカで新薬の研究開発に携わった」と自慢し、投薬される側であったことは内緒にしている。

 

出演女優が全員美人すぎる

マックのハリウッドでの下積みは女性とは無縁の辛く悲しい生活であり、道行く女性はみなアメリカによくいるおデブちゃんばかりで出会いなどは皆無だった。しかし長編映画でたった一人のヒロイン募集のためのオーディションをした途端『いったい今までどこに潜伏していたんだ!』という程の美人なハリウッド女優志望が大勢出現し、マックは急遽脚本を書き直し女優の出演シーンを大幅に増やしたことは言うまでもない。のちにマックは『一生分の女運をたった1日で使い果たした。もっと均等に分散して少しずつ使いたかった。』と語っている。

 

インチキ宗教 事件

ある日アパートの自室内でインチキ宗教のシーンを撮影しているのをレイシストの管理人ジーナに見つかり、壁一面の張り紙や沢山の仏像を用いたあまりにもリアルなセットと、そこに集まった信者役の俳優たちを見て、管理人はマックが本当に宗教を開いて信者を集めていると勘違いして大喧嘩となる。この時マックは自由の国アメリカにいることを最大限活用し「宗教の自由を侵害している!」と、自分が宗教をバカにしたコントを撮影していることは棚に上げ、後にこの管理人を完膚なきまでに英語で論破した。ちなみに管理人はマックのことを日本人ではなくブラジル人と思っていた。

 

ジャックワイズマンJr.のわがまま

インチキ宗教の無数の壁紙は、スパイシーマックがインスタントコーヒーをバケツで大量に作り、そこに文字を印刷したA4用紙を浸した後、一昼夜乾かして作成した。そのため部屋中にほのかなコーヒーの香りが漂い、また仏像が醸し出す神秘的な空間から、撮影後にジャックワイズマンJr.が「カフェインで脳が活性化し、しかも仏像からスピリチュアルな雰囲気が醸し出されてすごく落ち着く。このままにして暮らしたい!」とわがままを言い出したが、そこはスパイシーマックが寝起きする部屋であり、また前述の管理人の件もあったため即座に撤収となった。

 

巨大ナマズ虐待 事件

スパイシーマックは第4章で登場する巨大ナマズを撮影前日チャイナタウンで11ドル払い生きたまま購入。しかし夜にビニール袋内のナマズが徐々に弱ってきたため、ジャックワイズマンJr.が風呂に水を張りそこで復活させようとしたが、突然マックが「ナマズと一緒に記念写真を撮りたい」と言いだし、ジャックが止めるのも聞かず、海パンひとつでナマズと一緒の水風呂に入り、抵抗するナマズをつかみポーズをとり始めた。結局、記念撮影には成功したものの、ナマズはさらに体力を消耗、撮影当日には既に瀕死の状態だった。ジャックはこのマックの行動を「動物虐待じゃないか?」と批難、それに対しマックは「食用ナマズがハリウッド映画に出演できたんだから、あのナマズだってナマズ冥利に尽きるのではないか?」と反省の色を全く見せずに自己の行動を正当化している。

 

サンマの骨がノドにひっかかる 事件

アメリカはサンマが1匹30円と激安であり、貧乏なマックは毎日1匹骨ごと全て食べていた。ある日サンマの骨が喉にひっかかり咳をしてもなかなか取れず『これは気管支鏡をして摘出するしかいない!』と自己診断するが、アメリカで治療を受けたら一発で破産するため帰国して都内の病院へ入院。しかし気管支鏡をのどに突っ込んだ呼吸器内科医が一言『無いねぇ〜(笑)』。結局アメリカでの治療費よりは安かったが、当時は国民健康保険を持ってなかったため飛行機代あわせて数十万円の出費となってしまった。さらにジャックワイズマンJr.から『なんかマックはスッキリした雰囲気で帰ってきた。サンマの件は帰国してリフレッシュするための自作自演なのではないか?』と疑惑を抱かれたが、サンマの骨は本当に誤嚥しており、その後もマックの喉元の違和感はずっと続き『もっとコスパのいい笑いの獲り方は出来ないのか?』と残高の減る貯金を前にマックは苛立ちを隠せないでいた。

 

抗生物質点滴 事件

撮影のクランクインを数日前に控えたスパイシーマックは連日徹夜で脚本の仕上げ作業を行っていたが、ついに体調を崩し本格的に風邪をこじらせてしまう。前述のサンマの骨がまだ残ってると信じていたマックは自らの胸に聴診器を当て「軽い気管支炎を起こしている」と診断、早急に病気を治す必要があったため自らに抗生物質を点滴することを決心する。だがアメリカの高額医療費を払う金など当然あるわけもなく、マックは自分で日本から持ってきた点滴セットを準備し、無理矢理ジャックワイズマンJr.に「自分では刺せないから代わりに刺してくれ」と点滴の針を握らせた。ジャックは「そんなの出来る訳ないっすよ」と何度も拒否したが、その度にマックは「こうやって、こうやるんだ!どうだ、簡単だろ?」と一般人には理解不能なジェスチャーをしてみせた。当然それを見たジャックはさらに混乱し、結局マックが自ら点滴の針を自分に刺した。もともとマックが「このままでは撮影開始に間に合わない。のんびり治している時間は1秒足りとてない!」と言い出して起きたこの騒動、難を逃れてホっとしたジャックが点滴開始から30分後にそっと様子を見に行ったら、マックは脚本を書かずにネットでバニーガールのグラビア画像を閲覧していた。

 

実験モルモット&路駐罰金 事件

長編映画完成後にアメリカでプロモーション費用が尽き、金に困ったスパイシーマックは昔ロバート・ロドリゲスもやったと言われる新薬開発の人体実験バイトを行った。ロバートロドリゲスはこのバイト中に脚本を完成させたが、マックが監禁された病院は食べ放題、プレイステーションで遊び放題だったため、マックは体重が3kg増えただけだった。また採血に来るフィリピン人ナースの注射が下手で、あまりの痛さに耐えかねたマックは”自分は医師である”ことをカミングアウトし「針を刺す時は、こうやるんだ!」と技術指導するも「医師がこんな貧乏なアルバイトをするはずがない」と全く信じてもらえなかった。結局9日間で1100ドル稼ぐも、新薬の副作用でめまい症状が出現し一時帰国。その際に車が長期間レッカー移動され罰金として2600ドルを支払い、さらに貧困状態は悪化。仕方が無いのでマックは日本の医師の友人に「アメリカで新薬の研究開発に携わった」と自慢し、投薬される側であったことは内緒にしている。

 

撮影場所 山ごと焼失 事件

映画制作といってもほぼすべてがゲリラ撮影のため、撮影場所は無料で使える山や路地裏がメイン。ある日マックはグリフィスパークで廃墟の山小屋を発見し、そこでの撮影準備をしていたが撮影3日前に歴史的山火事が発生し山ごとすべて燃えてしまった。山小屋だけ燃えたなら悔しさが残るが山ごとすべて燃えたため、マックは「アメリカはいちいちスケールがデカいな」と、むしろ清々しい感動すら覚えていた。代わりに友人ラファエロ・コチャマニスのマンションの屋上で撮影した。

 

ジャッキーチェン返品 事件

長編映画が完成してもスパイシーマックの苦難は続いた。マックは自らの存在をハリウッド中に知らしめるためにDVDを700枚焼き、スピルバーグやタランティーノ、ジャッキーチェンなどあらゆる有名人に送りまくったが、DVDのほとんどはマックの元に開封されずに返品された。「後に彼らがマックから”アイデアを盗用された!”と訴えられることを避ける」ためだった。たちまちマックの郵便受けには返品された茶封筒であふれかえり、管理人ジーナに怒られたのは言うまでもないが、通常、数日から1週間で返品される中、ジャッキーチェンだけはマックがDVDを送った翌日に速達で返してきた。そのあまりの早技にマックは「郵便受けから“アチョー!”という幻聴が聞こえた!この早さは早送りに違いない!」と語る。

 

メキシコ国際映画祭運営の怠慢

2009年度のメキシコ国際映画祭でパルムドール賞を受賞したが[3]、映画祭運営側からはなんの連絡も無く、スパイシーマックが2010年後半に何気ないネットサーフィン中に受賞の事実を偶然発見した。また、なぜメキシコ国際映画祭の運営が連絡しなかったのか、その原因をスパイシーマックは「連絡するのが面倒臭かったからだろう」と冷静に分析している。

 

全米DVD配給決定そして振込ゼロ 事件

映画完成から2年後の2010年ついに全米とカナダでDVD配給が開始され、日本人製作者によるインディペンデント映画であるにもかかわらず全米最大のビデオレンタルストアBlockbuster、全米最大の大型量販店Walmart、全米最大の電器店BestBuyで販売された。しかしその後、配給会社からはどれだけ売れたかも報告がなく、当然マックに売り上げが支払われることもなく、配給会社に連絡しても無視され、裁判を起こす費用すらなく1セントの利益も上げることができなかった。

 

日本DVD配給&全国TSUTAYAレンタル開始されるが

失意の帰国後ついに念願の日本でDVD配給されるが、1年後マックの手元に支払われた金額は10万円のみであった。マックは『映画では飯が食えないじゃないか!』と激怒するが、その時のマックは久々の日本食のあまりの美味しさに暴飲暴食して太っており、むしろ飯は食わない方がよかった。しかし生活のために医師の仕事は再開させ、そこで稼いだお金から主要キャスト達に出演料を支払った。

 

マック監督自らの手で映画全編をネット流出

通常YouTubeへの映画アップロードは一般人が違法に行うものだが、映画の公開から年月が経ち、お蔵入りも同然の結果に終わったため、『これ以上失うものは何もない』と判断したマックは監督自らが映画本編をコッソリとYouTubeへアップロードしている。

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